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DX Terms&Glossaryいまさら聞けないDX用語集

  • SoE
    エスオーイー

    System of Engagementとは、CRMなどに代表される顧客とのつながりの強化、絆の深化を重視する現場優先のシステムで、2010年代始めから急速に普及し始めた。従来のSoR(System of Record)は、正確に記録することや安定性を重視し、システム優先で構築されていた静的な構造であり、顧客や市場の動的な変化に対応しにくい部分もあった。その結果、導入しても現場に浸透せず、結果的に失敗に終わるケースも少なくなかった。
    現在は、蓄積された情報の加工や分析を通じて有用な洞察を得ることを重視するSoI(system of Insight)と組み合わせ、新たなニーズの発見やサービスの創出に繋げることが主流となりつつある。

  • SXとGX
    Sustainability Transformation & Green Transformation

    SX(サステナビリティトランスフォーメーション)は気候変動やパンデミックなど不確実性が高まる社会と企業の両方のサステナビリティを同期させるために必要な経営・事業変革のこと。企業がDXよりもさらに長期的な観点に立って、持続可能性を重視した経営方針へ転換することを意味する。経産省の伊藤レポート3.0(2022年8月)では、SXの実践こそがこれからの日本企業の「稼ぎ方」の本流とされている。
    一方、GX(グリーントランスフォーメーション)はカーボンニュートラル実現の前提とした企業の取り組み。経済社会システム全体の変革を目指す。経産省が2022年3月に立ち上げたGXリーグには、400を超える企業が参加している。
    どちらもDX推進と平行して、企業に求められている重要な経営改革の課題といえる。

  • 自然言語処理技術(NLP)
    Natural Language Processin

    NLPは、人間が日常的に使う「あいまいさ」の概念を含んだ言語を、コンピューターが処理可能な「データ」「数値」に置き換える技術。AIが自然言語のテキストデータを取り込み、構文解析、意味解析、情報抽出、機械翻訳、文書分類、感情分析などのアルゴリズム処理を行ううえで非常に重要な役割を果たし、AIチャットなどでの自然な言葉による出力を可能にしている。

  • デジタルガバナンス・コード2.0
    Digital Governance Code 2.0

    経産省が2020年に発表したデジタルガバナンス・コードは、企業のDXに関する自主的取り組みを促すために、デジタル技術による社会変革を踏まえた経営ビジョンの策定・公表といった経営者に求められる対応を示したもの。その改訂版2.0が2022年9月に発表された。
    DXレポート2.2と連動する形で、デジタル人材の育成・確保が追加されている。これを達成することで国からDX認定を受けると、DX認定制度ロゴマークの利用や、DX投資促進税制による支援措置(デジタル関連投資に対する税額控除、特別償却など)のメリットがある。対応が遅れている中堅・中小企業等向けには、『デジタルガバナンス・コード』実践の手引き2.0も発表されている。

  • 強いAIと弱いAI
    Strong AI and Weak AI

    強いAIとは人間と同等かそれ以上の知能を持ち、自己学習能力とあらゆる状況に対処するために柔軟に行動できる能力を備え、様々な課題や想定外の問題を独自に解決できる完全自立型人工知能のこと。現在の技術レベルではまだ実現されていない。
    それに対して弱いAIとは、特定のタスクや問題に対して特化した人工知能で、例えば画像認識、音声認識、自然言語処理などの特定の分野で優れた性能を発揮。業務効率化や自動化する際などに活用される。自己学習は可能だが、その能力は限定的であり、あらゆる状況に対処することはできない。